そしがやの場合、大学4年生の時に公務員試験を5つ受けて、結局、1つだけ合格し、そこに入所して、公務員になりました。
もし、あの時、1つも受からなかったら、どうなっていたでしょうか。
公務員試験の合否が発表になったころには、民間会社の就職活動は終わっていたはずなので、民間会社への就職もできず、アルバイトをしながら、翌年の公務員試験を目指すことになっていたでしょう。
翌年も合格する確証はなく、そのままずるずるとアリバイト生活を続けることになっていた可能性もあります。
そういう風に考えると公務員試験に合格して、公務員になれたのは、ただ単に運がよかったのかもしれません。
ですが運が悪かったせいか正社員として就職できず、フリーター生活を送っている男性の記事を読みました。
厚生労働省が発表した「非正規雇用労働者の推移」によると’17年の35~44歳のロスジェネ世代の非正規の人数は372万人に及ぶ。これは15年前に比べて100万人増の数字だ。北山誠さん(仮名・42歳)は大学卒業後に一度も正規雇用の経験がなく、20年以上にわたりフリーター生活を送っている。
「氷河期に体験した“不採用”で負け続けたことで、『どうせ自分は正社員になれない』という感情が強いんです。それに、20 代の頃はバイトを掛け持ちしていたので、月収30万円を超えたときもありました。同世代の正社員より稼げてるじゃん!と余裕を持って生きてきたのですが……」
そしがやの卒業したころは、この北山さんの経験した就職氷河期ほど厳しくはありませんでした。
ですから、北山さんは、運が悪い時期に生まれてきたと言えるかもしれません。
年齢とともに体力の落ちたことで、当然、掛け持ちはできなくなった。長い肉体労働の蓄積で重い腰痛持ちになり、バイトも短時間の仕分け作業しかできない状態に陥ってしまったという。
「年収は100万円程度まで落ちたので、2年前から実家に戻りました。たまに妹からは『早く実家を出て、就職して自立しなよ』と小言を言われる始末です。でも、もう就職できる気はしない……」
20代のころは、かなり稼げても年齢とともに体力は落ちてくるのは、確かですね。
それにしても年収100万円というは、ちょっと辛いです。
42歳になると正社員としての就職は、もう難しそうです。
ただ今思い出すとこの記事でも触れていますが、フリーター生活というのがこの就職氷河期のころには、もてはやされていたような記憶があります。
会社に縛られない、自由な生き方として、カッコいいものと見なされていました。
たぶん、20代のころの北山さんもそう考えかたに影響されて、無理に就職しようと思わなかったのかもしれません。
もしそうだとすると当時のフリーター賛辞の風潮が北山さんにとっては、罪作りだったようです。
とはいえ、まだ42歳ですから、これからの長い人生を生きていくしかありません。
今から正社員経験も、資格もないままで、ロスジェネ世代が就職するのは正直厳しい部分が大きい。年齢を重ねた行く末は、老人フリーターか、生活保護か。
この記事の最後は、こう終わっていますが、ちょっと救いがないですね。
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