最近の株高で、そしがやの所有する株式も好調です。
これは多くの株主も同じような状況でしょう。
そんな中、多額のETFを所有する日銀に多額の含み益が生じているという記事を読みました。
日銀の黒田東彦総裁は27日の参院予算委員会で、金融緩和策の一環で買い入れてきた上場投資信託(ETF)について「12兆円から13兆円程度の含み益がある」との試算を示した。損益分岐点は「日経平均株価の水準で2万1000円程度」と述べた。
12兆円から13兆円程度の含み益があるという内容です。
驚くべき数字です。
簿価で約35兆円のETFを保有するということですから、約35%の収益率になります。
パーフォーマンスとしては、素晴らしいものです。
もしこれが民間のファンドマネージャ―だったら、かなりの評価を得ることができるでしょう。
ただこの記事では、事実だけを述べ、このパーフォンマンスについてのコメントはありません。
もしこれが、逆に赤字だったら、かなり叩かれると思います。
黒字の場合は、事実を伝えるだけのかなりあっさりとした記事の内容になっています。
一方、数日前には、日銀のETFの手数料について批判的な記事が出ていました。
日本銀行のETF(上場投資信託)購入に伴い、資産運用会社などへ支払った信託報酬が約10年間で計約2千億円にのぼることがわかった。コロナ禍による株価急落で買い入れを増やしたため、昨年1年だけで約500億円を占める。金融緩和の一環で進めてきた政策だが、多額の費用もかかる実態が浮かび上がる。
10年間で計約2千億円の信託報酬手数料を払ってきたというものです。
信託報酬は、年0・1%前後ですが、購入額が多いので、この額になるというものです。
この記事では、日銀がかなり高い信託報酬を払ってきたと批判的な論調になっています。
「日銀は信託報酬の高いETFの購入がめだち、市場の競争をゆがめている。政策運営のコストを抑えるためにも、日銀は安い信託報酬のETFへの乗り換えなどを検討するべきだ」
というのは、ニッセイ基礎研究所の井出真吾氏の発言ですが、まさにその通りでしょう。
この記事によると日銀がETF市場の8割を占めているので、市場においては、圧倒的な存在感です。
正直日銀がETF市場の8割を占めているというのは、この記事で知りました。
そんな日銀が高い信託報酬を払っているので、信託報酬の引き下げ競争が生まれにくい一因になっていると指摘しています。
これも同感です。
この記事が指摘するように現在の日銀のETF購入は、問題もありますが、株式市場を下支えしている面があることも事実です。
この点は、評価したいと思います。
ただこれからの難しさは、この多額のETFの売却という、出口戦略をいかに実施していくかということでしょう。
購入以上の困難さがあると予想されます。
日銀の手腕が試されます。
またメディアに対しては、今回とは逆に赤字になったときに鬼の首でも取ったかのように批判をするのは、止めてほしいですね。
株価は長期的には上昇するものの、短期的には、下がることはよくあることだからです。