40年間の公務員生活の中で感じたのは、正規の職員は、増えないのに、非常勤の職員は、毎年のように増えていくということでした。
行政の仕事は増加しても正規の公務員は増やせないので、非正規の職員を増やさざるを得ないということだったと思います。
ですから、職場によっては、非常勤の職員が多い部門もありました。
ほとんどは子育てが終わった家庭の主婦が多かったのですが、中には、独身の若い男性もいました。
一度30歳代と思われる非常勤で独身の男性が隣の係にいたときがありました。
仕事もそれなりのこなせるので、なぜ正規の職員にならなかったのかな、と考えていました。
仕事内容も常勤職員とそんなに変わらないにもかかわらず、給与には差があるので、なぜ非常勤で満足しているのが不思議でした。
それに非常勤の給与は毎年変わらず、常勤職員とは異なって、増えることはありません。
もう年齢は、30歳代に見えたので、公務員試験は、受験できないですが、20歳代のころであれば、受験すれば合格できたかもしれません。
その男性は、5時の退庁時間になるとすぐに帰ってしまうので、個人的なことを話すこともありませんでした。
その後、そしがやが職場を異動してしまったので、その男性がどうなったかわかりません。
公務員ではありませんが、そんな非正規の男性のことを扱った記事を読みました。
就職氷河期に就活で失敗し、非正規雇用のまま40代を迎えている人は多い。工場で派遣社員として働く中野伸弘さん(仮名・42歳)もその一人。大学卒業後の20年間、派遣社員や契約社員として職場を転々としている。
「今の月収は20万8000円。贅沢には程遠いけど、独り身なので生活には困っていません。現状車がなくても十分生活できているし、若い頃に比べると物欲もないのでおだやかな生活ですね(笑)」
この記事で紹介されているのは、42歳の中野さんです。
非正規雇用で月収は、約20万円です。
多分、こういう生活をしている人が多いんでしょうね。
「鉄道が好きで、3日以上休みが取れるときは乗り鉄の旅に出ていました。旅といっても移動はJRの普通列車乗り放題の『青春18きっぷ』や周遊券などの割安の切符だし、泊まるのもゲストハウスやネットカフェなので出費は少なめです。今は私のような契約社員でも有休が取りやすいので、旅にも出やすいですね」
中野さんは、ギャンブルもしないし、酒もほとんど飲まないといいます。
唯一の趣味が、鉄道です。
そのためには、契約社員が都合がいいようです。
「30代半ばまでは何度か正社員を目指して就活もしましたが、失敗続きで諦めました。逆に今は、現状を受け入れたことで精神的に楽になりましたね。それに実家を相続する予定なので、この先も住むところには困らないし、いざとなったら売ってお金にすれば大丈夫かなって。 あとは非正規なら雇ってくれるところはあると思うので、老後も細々働き続けますかね」
中野さんの職場では、正規と非正規とでは、年収で100万円以上の差がありますが、就活に失敗して、正社員を目指さなくなったそうです。
現在では、今の状況に満足しているように見えます。
この記事を読むと非正規の人生も一つの生き方かなとも思えてきますね。
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