5年前にリタイアしたときには、退職金は、一時金で受け取るという選択肢しかありませんでした。
その時は、一時金でもらうより年金のように分割でもらったほうがリタイア生活の資金生活が立てやすいと思ったものです。
ですが、勤めていた職場は、分割で受け取るという制度がなかったので、一時金と受け取るという形になりました。
その後、退職金は、銀行の退職金専用定期預金を利用してきましたが、それも3年ほどすると使えなくなったので、今は個人向け国債で運用しています。
10年ものです。
利回りは、0,05%ほどですが、キャッシュバックがあるので、それを入れると、0.4%ほどになります。
現在の低金利を考えると割がいいのではないでしょうか。
キャッシュバックを受け取るために10年物の国債を1年で解約して、新しい国債を購入するということを繰り返しています。
そんな退職金ですが、分割で受け取ると損をするというちょっと意外な内容の記事を読みました。
年金だけでは生活できない時代に退職金は「老後資金」の大きな柱だ。だからこそ、全額を一時金でもらうより、分割(退職年金方式)でもらって年金の足しにするほうが安全確実と思っている人が多い。
機械メーカーを退職したA氏(69)はその1人。約2000万円の退職金を65歳から75歳まで10年の毎月払い(月額約16万6000円)の分割で受け取っている。
「定年後もしばらく嘱託で働いたから収入があったし、一時金でもらって定期預金したところで利息はほとんどつかない。それなら分割の方が老後の資金計画が立てやすいと考えたんです」
A氏の会社では、退職金を分割で受け取るという選択肢があったようです。
A氏は、老後のことを考え、一時金ではなく分割で受け取りました。
もしそしがやも5年前の職場に分割という制度があったら、そちらを選択していたかもしれません。
一時金で受け取ると急に入った多額の金額に舞い上がってしまい、金融機関に勧められるままにリスクの高い運用に手を出して、大事な退職金を減らしてしまうような気もしたからです。
よくそういうケースは耳にしますね。
ですが、安全なはずの分割で受け取ることには、とんでもない落とし穴があるようです。
「A氏は全く気づいていないようですが、退職金のもらい方を間違えたために、450万円近くも損しています」
ファイナンシャル・プランナーの北村氏は、こんな指摘しています。
北村氏の試算によると、A氏が退職金2000万円を一括で受け取っていれば、「退職所得控除」があるため所得税も住民税もゼロとなり、丸々手取りになる。ところが、2000万円を分割で受け取ると控除がないため所得税・住民税の総額が220万円アップし、保険料をあわせると450万円ほど負担が重くなっている。
退職金には、対処所得控除があるから税金がゼロになるが、分割にすると控除がないの
で、普通に税金がかかるというものです。
保険料にも影響して、総額では、450万円ほど負担が多くなります。
退職金が2000万円ですが、その4分の1が少なくなってしまうわけです。
かなり大きいですね。
でもちょっと不思議に思うのは、A氏の職場では、そのことは説明しなかったのでしょうか。
最初から分かっていたはずです。
あるいは、A氏は、分かった上で分割を選択したのでしょうか。
そんな疑問も残りますが、退職金は、一時金で受け取り、その後リスクを取りたくないのなら、金融機関の退職金向け優遇定期預金で運用して、そのあとは、個人向け国債で1年ごとに解約して、キャッシュバックを受け取るのが現在のところ一番よさそうです。
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