リタイアする前には、海外でリタイアした人の記事をよく読んでいました。
海外でのリタイアも考えていたのです。
物価も安く、暖かい国で過ごすことも夢見ていました。
ですが、いろいろ調べていくと海外での暮らしの大変さもわかってきて、結局は、国内でリタイア生活を送っています。
そんな海外生活ですが、思い描いたものとは違った生活を送っている人の記事というのは、よく見かけます。
この記事もその一つです。
昨今、若者の貧困が問題になっているが、それは国内だけではない。一昔前ならば、能力も経験もない若者がアジアに進出して一旗揚げるという話を耳にしたが、現在はアジア諸国も物価が高くなって、在住の日本人が貧困にあえぐケースも増えているという。
この記事で取り上げているのは、アジアに進出したものの貧困にあえいでいるという女性のケースです。
「仕事もしていないし軽い気持ちで遊びに行ったら、がっつりハマってしまったんです。夜遊びできるところやオシャレな店もたくさんあって、しかも物価も安くて最高だと思いました。さらに驚いたのは友人の住んでいたマンションです。プール付きのきれいなアパートでしかも家賃は7万円、私もこんな生活をしてみたい!と思いました」
現在28歳の女性は、以前、タイに住む友人の家へ遊びに行ったら、すっかりハマってしまいます。
それで日本では、長時間労働でうつになったということもあり、日本を出て、タイの美容室に勤めることになります。
「月収は4万バーツ(約14万円)でしたが、物価も安いし昇給もあるので問題ないだろうと思っていました。でも、現実は違いました。旅行のときはあえて安い市場や屋台で服や食べ物を買っていたのですが、実際住んでみるとそうはいかない。勤務先は駐在員の奥さんなどが来店する高級美容室なので、さすがに汚い服装はできず服は無理してショッピングモールで買っていました。それに同僚達や日本人の友人と飲むときは大体、日本式居酒屋に行くので食費も日本と変わりませんでした」
観光で行った時と実際住んでみるとでは、かなり違っていました。
そんな中でこの女性が一番嫌だったのが、日本人コミュニティとの付き合いだったようです。
「バンコクの日本人コミュニティはすごく狭くて、噂が回るのも早いんです。付き合いが悪い人間は変わり者扱いされて敬遠されるので、誘われたら無理してでも行っていました。結構色んなコミュニティに顔出していましたね。(後略)」
次第にそんな生活に嫌気がさして、転職を決意します。
ですが、美容室をやめたので、観光ビザでの入国になり、3か月に1度は、入出国を繰り返すということになり、その費用がバカになりません。
現在は、シャワーの水の出が悪い、日本人としては、最安の物件のアパートに住んでいます。
そしがやが海外生活で一番嫌だと思えたのは、この女性が感じたように、海外の狭い日本人コミュニティの問題でした。
一種の村社会なので、付き合いが大変そうに見えたのです。
ですから、いったん人間関係が悪くなると日本人コミュニティには、いられないでしょう。
それだったら、日本の都市で暮らすほうが、マシだと考えたわけです。
この女性は、日本で再就職する自信もなく、しばらくは、タイで暮らすようです。
ですが、日本で患ったうつには、タイでは、ならないようなので、日本にいるよりは、いいのかもしれません。
数年後の彼女がどうなっているか知りたいところです。
このライターには、また取材してほしいですね。
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