公務員になりたての頃、先輩にアパートなどの不動産収入のある人がいました。
昔からの地元の地主のようで、別に仕事をしないでも生活できるように見えました。
そのせいか、職場でも出世を目指すわけでもなく、自分のペースの仕事をしている人でした。
そんな姿を見て、自分も将来は、仕事をやめて、不動産収入で暮らしていければと考えたこともありました。
ですが、結局は実現することもなく、定年まで勤めました。
そんな不動産を持っている人が早期リタイアしたいという記事を読みました。
▼相談内容
1年以内にリタイヤ(あるいはセミリタイヤ)可能でしょうか。自宅以外にワンルームマンション3戸を保有しており、諸費用を考慮しても毎月17万円ほど収入があります。ただし、そのローンが1400万円(毎月14万円返済中、固定金利、残り10年)と、自宅の住宅ローンが2800万円(毎月9万3000円返済中、変動金利、残り28年)あります。退職金は、1100万円と企業年金が10年間で総額700万円ほど出る予定です。年金定期便によると、多少減額されることを考慮しても、65歳から毎月10万円ほどは出そうです。完全リタイヤが無理ならば、月8万程度年間100万円のバイトをしてセミリタイヤすることも視野にいれています。また、自宅のローンが変動金利のため、退職金で繰上返済しておくべきかも迷っています。よろしくお願いいたします。
50歳の会社員の男性です。
ワンルームマンションを3部屋所有しています。
この状態で早期リタイアできるかの相談です。
FPのアドバイスは、以下の3つです。
アドバイス1 試算上は1年以内のリタイヤも可能だが……
アドバイス2 「30年間の賃貸収入」はリスクが大きい
アドバイス1で計算上は、リタイアは可能だと述べています。
ですが、アドバイス2でこれから30年間現在と同じような家賃収入が確保できるかに懸念があるとしています。
問題は、家賃収入の見立てです。「今後30年間は少なくとも賃料を得られる」という根拠が弱いように思うからです。所有されているワンルームマンションについては、いただいた情報でしか判断できませんが、たとえば2011年に購入された物件は30年後には築45年になります。物件の老朽化を考えれば、現在と同水準の家賃を確保していくのは相当に難しいのではないでしょうか。
そしがやもFPが述べたようなリスクを感じています。
マンションは、どんどん劣化していきます。
そうすると家賃を下げないと借り手が現れないと思います。
ましてや、人口が減り、借り手が減少している中では、なおさらです。
そんなわけでFPの結論は、アドバイス3で以下のようになっています。
そう考えれば、相談文にあります「月8万程度、年間100万円のバイトをしてセミリタイヤすることも視野に」という方法を選択する方が賢明でしょう。少なくとも、FPの立場からは完全リタイヤをお勧めできません。もっと言えば、今後1年以内のリタイヤを先延ばしにする。年間で400万円も資産が上積みできる環境にあるのですから、4~5年でもリタイヤの時期を延長すれば、家賃収入に頼るリスクもグッと軽減できるはずです。
相談者が視野にいれている年間100万円のバイトをしながら、セミリタイアという選択のほうがより賢明だとFPは、述べていますが、その通りでしょう。
最初に取り上げたようなもともとの地主でアパートを建てたような人だとそういう心配はないのでしょうが。
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