そしがやのリタイア日記

リタイアした公務員の日々の生活を書いていきます。学生生活、投資、などなどです。

幸福度世界1位のデンマークより、日本のほうが恵まれている

巷には、北欧が理想的な国だという説が溢れています。

社会福祉も充実しているし、女性の社会進出も進み、貧富の差も少なく、日本が目指すべき国だとするものです。

いくつか本も読んだことがありますし、ネット上の記事も見てもいます。

その中でもデンマークを書いたものが多いようです。

以下の本は、以前読んで面白かったものです。

 

 

ですが、いずれを読んでも何かしっくり来ないというのが、正直な感想です。

もし、このように素晴らしい国なら、日本に一つくらい北欧の社会を理想とする政党が現れ、日本を北欧のような社会へしようという主張をしてもいいと思うのですが、そういう政党はないようです。

日本人は、北欧に憧れながらも、本当は、北欧のような社会を望んでいないのではないか、とも思えるのです。

 

そんなモヤモヤを少し解消させてくれる記事を読みました。

著者の石黒浩は、アンドロイドの世界的権威で、以前テレビで見かけたことがあります。

diamond.jp

 

 たとえば、「幸福度ランキング」で1位のデンマーク。公共サービスがすごく充実していますが、その背景にあるのは貧しさです。

 冬の気温が低いので決して浮浪者は出せません。凍死する可能性が高いからです。近代社会において道端に死体が転がっている状況を容認することはできないでしょう。公共サービスの充実は、背に腹は代えられない事情から進んだものだと私は想像しています。

 北欧の中でもデンマークは最も貧しく、資源がなくて、貿易等でしか生きていけない国です。それでも公共サービスを充実させなければならないので、当然ながら税金を上げることになります。消費税率は25%で世界3位の高さ。所得税は40~60%です。

 

デンマーク社会保障の充実は、その貧しさが理由だとしています。

ちょっと今までの北欧本にはない視点です。

 

また、男女共働きになると、弁護士や医者といった机に向かって、一所懸命勉強したほうが有利な職業は、女性が大半を占めるようになります。だから、実はデンマークは女性のほうが平均年収が高いのです。

 すべての人が人工的に子どもをつくるような社会ならばいざ知らず、妊娠、出産を経験することの多い女性が、果たして男性と同じように働かなければならないのか。

 

デンマークの場合は、共働きの割合が高く、女性の就労率は、70%以上です。

これもフェミニズムの立場から言えば、理想的なように見えます。

 

ですが、女性が仕事だけではなく、家事や子育てに集中するという選択肢があっても良いのではないかと著者は、主張しています。

つまり専業主婦ももっと評価されるべきということでしょう。

妻を含めた身近な専業主婦たちを見ていると、専業主婦という選択ができる社会もそんなに悪くないと思えます。

 

著者は、またデンマークでは、ガンだとわかっていても治療までに長く待たなくてはならず、手遅れになってしまうといった、マイナス面もあることも指摘しています。

その点、日本は、公共サービスが手薄過ぎて、死者が出るような状態でもなく、適度なところでバランスを取っている、日本は世界でも稀有な国だと述べています。

 

多分、この微妙なバランスが日本人にとっては、心地よいのかもしれません。

社会保障が重すぎることもなく、軽すぎることもないというところが良いのでしょう。

この記事を読んで、デンマークを初めとした北欧の国々に憧れつつも、そうなる選択を今のところしていない日本人の気持ちが少しは、理解できた気がしました。

  

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