そしがやのリタイア日記

リタイアした公務員の日々の生活を書いていきます。学生生活、投資、などなどです。

「原因と結果」の経済学

以前、同じ著者の「学力の経済学」を読んで面白かったので、今回、この本を読みました。

 


社会では、いろいろな主張がなされますが、どれが真実かそうでないか、判断に悩むときがあります。

一見すると正しそうに思えるものも、本当にそうかな、と疑問に感じるときもあります。

 

そんな時の基本的な考え方を教えてくれるのがこの本です。

まず「相関関係」と「因果関係」の違いを知ることが大事だと述べています。
著者は、「相関関係」と「因果関係」の違いについて、分かりやすく説明してくれます。

 

例を挙げると、「メタボ健診を毎年受ければ、病気を早期発見・治療ができ、長生きできる」と思っている人が多いですが、これは、相関関係であって、因果関係ではありません。

「健診を受けること」と「長生きできること」は、同時に起こっているだけにすぎないのです。

つまり相関関係があるだけなのです。

 

因果関係があるということは、健診を受ければ、長生きができると言うことを証明しなくてはいけません。

このことについてはすでに多くの研究が行われており、人々に健診を受けさせるようにしても、死亡率は下がらないとこの本では、述べられています。

これを知ると今まで、何と根拠のない考え方によって、国や自治体の政策が歪められ、無駄に税金が投入されてきたのかとショックを受けます。

 

他にも世の中のもっともらしい、通説に騙されなくなります。

例としては、「テレビを見せると子どもの学力は下がるのか」や「偏差値の高い大学へ行けば収入は上がるのか」といったものがあります。

いずれもイエスと答える人がほとんどだと思いますが、信頼できる研究によると否定されています。

 

著者は、こういう因果関係があるかどうかの方法論を「因果推論」と呼び、これを学ぶことの大切さを指摘しています。

そのトレーニングがしっかりできていれば、思い込みや根拠のない通説にとらわれなくなり、正しい判断ができるというものです。
それにこの本には、難しい数式もなく、専門用語も分かりやすく説明してくれるので、「因果推論」の入門書としては、最適だと思いました。

 

 

 

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