40年ほど前、公務員になり始めのころは、同僚で辞めて、民間企業に行く人もけっこういました。
ですが、25年ほど前にバブルが崩壊してからは、公務員を辞める人は、ほとんどいなくなりました。
辞めた人の噂を聞くことは、もうありませんが、どうしているのか、気になることがあります。
自衛隊を辞めた人の記事を読みました。
自衛官と一般の事務系の公務員とはちょっと違うこともありそうですが、興味を持って、読みました。
◆28歳で自衛官から営業マンに
「正直、民間企業ならどこでもいいやと深く考えず、給料の良さだけで決めてしまったんです。仕事は営業担当で表向きはノルマがないことになっていますが、それぞれに課せられた“売上目標”があるから大変。実際、そのプレッシャーに耐えられず、辞めていく同僚もいました」
この記事の池本さんは、32歳の元自衛官です。
自衛官時代は、公務員なので収入は安定しており、当然ながら福利厚生も充実していました。
しかも、独身の隊員たちは駐屯地や基地内の営舎で暮らすため、お金も貯めやすかったそうです。
「(前略)自衛隊は外出するのに外出証をもらわなければならず、休日前でも夜11時までには戻らなければいけませんでした。もちろん、事前に申請すれば外泊許可も下りますが、民間企業だったらこうした制約を一切受けずに済むわけじゃないですか。自衛隊だから仕方ない部分はありますが、24時間管理されているのが嫌になり、自由な生活に憧れていたんです」
半面、自衛隊は、安定しているものの管理されている感じがあって、嫌だったようです。
それで民間の自由さにあこがれたと言います。
そんなわけで勤め始めたサラリーマン生活ですが、楽しいけど、貯金ができないようです。
自衛官時代に貯めた貯金も切り崩していました。
「企業だと上司からの大まかな指示などはありますが、基本的には自分で判断して動かなければいけません。ずっと民間で働いていた方にとっては当たり前のことでしょうけど、自衛官は上官の命令に従うのが絶対。自分で考えて動くことは許されなかったため、その違いには今でも戸惑うことがあります。」
仕事に関しても自衛官時代の方が池本さんには、やりやすかったとのこと。
体力的には、きついことがあっても上官の指示通りに動けばいいのですから、ラクと言えば、ラクかもしれません。
そんな中、池本さんは、自衛官の採用上限年齢は従来の26歳から32歳に引き上げられ、元自衛官が出戻ることができるようになり、自衛隊に戻ることも考えました。
ですが、結局、池本さんは、今の会社で働き続けることを選びました。
その理由はと言えば、定年が自衛隊の場合は、早くて、53~54歳ということがありました。
その時に民間へ移るより今の会社にいれば、65歳まで働くことができるから、現状のままの方がいいという判断になりました。
この記事のタイトルからすると自衛官を辞めてかなり後悔しているという内容だと思っていましたが、自衛隊を離れた現状を冷静に見ているので、意外な感じとともに、ホッともさせられました。
それにしても「後悔の嵐」云々というこの記事のタイトルは、少し盛りすぎでしたね。
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