公務員として就職したときは、大卒程度の試験を受けて、入りました。
その当時は、大卒程度、短大卒程度、高卒程度の3つに試験が分かれていました。
現在も変わっていないと思います。
と言っても大卒程度は、大学卒業が条件ではありませんでした。
試験を大学卒業程度の内容で行うということだけです。
ですから、実際に入所してみると大卒程度の試験を受けても、大学を卒業していない人もいました。
また逆に高卒程度で入った人の中には、大学を卒業した人もいました。
当時は、公務員は、どこもそういうものだと思っていました。
ですからこの記事を読んだときは、ちょっと驚きました。
神戸市経済観光局の男性事務職員が最終学歴を詐称して採用されていたことを理由に、懲戒免職処分(民間企業の懲戒解雇処分に相当)を受けたと報道されました。
神戸市は11月26日、最終学歴を詐称したとして、経済観光局の男性事務職員(63)を懲戒免職にしたと、発表した。大学を卒業していたのに採用試験の際に履歴書には高卒と記載し、高卒以下に限定されている区分を受験して合格し、1980年5月から勤務していた。(「神戸新聞NEXT」2018年11月26日)
この報道を聞いて「処分が重すぎるのではないか」と感じた方も少なくないのではないでしょうか。
この事件の当事者は、ほぼそしがやと同じ世代の男性です。
60歳を超えて勤めているということは、再任用で仕事をしているということでしょう。
ですが、学歴を詐称したということで懲戒免職処分を受けたというものです。
そしがやの勤めていた職場では、最初に述べたようにこの当事者と同じように大学を卒業していても、高卒程度の試験を受けた入った人がいました。
ですが、そしがやの職場では、まったく問題になっていません。
この記事では、懲戒免職になるケースを解説しています。
まず、学歴詐称による解雇が有効になるか無効になるかの基準を整理します。過去の判例等を整理すると3つの観点から判断基準を挙げることができます。
第1は、学歴を採用基準にしていたかどうかです。
そもそも学歴を採用基準としていない場合は、履歴書に書かれた学歴が偽りであったとしても、解雇をすることは難しいと考えられます。履歴書にうそを書いたことで使用者との信頼関係が失われたとして何らかの懲戒処分を科すことは可能ですが、解雇に値するほどの「重要な経歴の詐称」とは言えないからです。
逆に、一定の学歴を採用基準としていた場合は、会社に採用の判断を誤らせたとして解雇が有効になる可能性が高まります。
この解説を読んで理解できました。
そしがやの勤め先では、学歴を採用基準にしていなかったので、何の問題にもならなかったということです。
確かに採用試験は、高卒程度で行われましたが、学歴は、採用基準にはなっていなかったので、大卒で受験しても問題なかったわけです。
それにしても当時公務員試験を受けるときに、いくつかの試験を受けましたが、みな学歴は不問でした。
試験の内容の程度で試験の区分けをしていたようです。
公務員は、みなそのようなものだと考えていました。
当時から、学歴を要件としていた役所があったというのが、ちょっと驚きでした。
この記事では、他にもいろいろと解説をしていて、この職員が裁判で争っても勝てる見込みはないと結論付けています。
この記事からは、退職金をすでに受け取ったかどうかは、不明ですが、もらってないとすれば、この懲戒免職処分によって受け取れない可能性が高いとしています。
それにしても、なぜ、今になって、学歴詐称がばれたのか、経過は、わかりませんが、本人も長年勤めてきて、このような処分を受けて、どのような気持ちなのでしょうか。
ちょっと知りたいところです。
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