そしがやは、今は、主に年金を頼りに暮らしていますが、年金がなかったらと想像するとゾッとします。
もしなかったら、仕事を続けないと暮らしていけなかったでしょう。
それはストレスの多いものです。
ですから今まで年金の保険料を高いと思いながらも納めてきて、よかったと思います。
ですが、そんな年金のない無年金が結構いて、最近亡くなった有名人も無年金者だったようです。
「もうお金がなくてね。来月分の生活費と7万5千円の家賃はなんとかなる。でも4月以降は収入がなくて、にっちもさっちもいかないんだ」
穂積さんは、ベストセラー「積木くずし ―親と子の二百日戦争」(1982年 桐原書店)の印税収入が3億円を超えたといわれ、当時、俳優業はもとより教育評論家としての所得は億単位。だが、詐欺事件に巻き込まれ、家族は崩壊。離婚に至る過程ですべてを無くしていた。
しかも所得税の滞納による延滞金を700万円以上抱えており、預金は10万円に満たないと漏らした。
亡くなる前に取材した記者に、穂積さんは、お金がなくて生活に困っているとこぼしています。
一時期は、ベストセラーを出して莫大な印税収入があったようですが、いまは貯金は10万円にも満たないようです。
年金について記者が尋ねてみると、
「お恥ずかしい話、年金はゼロ。もらってないよ。『積木くずし』が売れに売れて、俳優だけでなく教育評論家としても全国を飛び回っていたでしょ。それで仕事以外のことは全部他人任せにしていたら、そいつが仕事をせずにずっと未納して着服していたんだ。気が付いた時には資格喪失で手遅れ。だからいっそのこと死んでしまったほうが楽なんじゃないかと……」
年金の保険料の支払いを他人に任せていたら、保険料を着服されていたとのことです。
こういうことってあるんでしょうか。
それに保険料未納の時には、経過措置があって、後から支払うことができたはずですが、それも手遅れとのことです。
確かに仕事は、忙しかったのでしょうが、他人に任せるにしても、最後は、自分のことは、自分でチェックできなかったのでしょうか。
ちょっと不思議に思いました。
筆者が意を決して勧めたのは、生活保護の受給だった。当初、本人は渋った。だが、「公的支援を受けて俳優を続けるのが最善では。もし今後、収入があれば新たな道が開けるかも」と繰り返し説得し、穂積さんはようやくうなづいた。
最後には、穂積さんは、どうしようもなくなって、記者の説得に応じて、生活保護を受けることになります。
最終的には、このセイフティネットで救われたわけです。
この記事を読んできて、亡くなる前には、生活保護で経済的な不安がなくなって、明るい表情になっていたと知って、ホッとしました。
ですが、かなり収入の多い時期もあったにも関わらず、こういう経済的に困窮した晩年を迎えましたが、避けることはできたのではないかとも思えました。
お金のあるうちから自分のことは自分でしっかり管理さえしていれば、こういうことにはならなかったのではないかと感じましたね。
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