リタイアしてからは、いつも何をしているんですか、と聞いてくる人がいます。
大学院へ通っているというと納得してくれる人がほとんどです。
ですが、もし大学院へも行っていなかったら、不審な顔をする人が多いような気がします。
暇で暇で困るんじゃないかという余計な詮索をされそうです。
そしがやの場合は、仕事がイヤだったので、リタイアしても大学や大学院へ行かなかったという可能性もありました。
例えば、大学院の入試に落ちてしまったとか、です。
でも、そんな場合でも別に暇で困るということは、なかったと思います。
毎日図書館へ行って、勉強をしたりすることが好きなので、自分の興味のある本を読んだりしていたでしょう。
あるいは、翌年の入試の再チャレンジを目指して、勉強していたかもしれません。
ですが、経済的にも恵まれていて、やっと得たそんな暇な時間を持て余している人もいるようです。
こんな記事を読みました。
退職後の生活は18年間の有期年金の月額約12万円、公的年金が22万円。それに自分で積み立てた個人年金の支給月額が約10万円あった。「当時は個人年金の利率が高く、将来を考えて30歳から個人年金の積み立てを始めました。毎月の給与だけでなく、ボーナス時などお金があるときは多めに払った」。その分を合わせて月の収入は約44万円。生活するには決して少ない額ではないが、何もしない家での生活にしだいに息苦しさを感じ始めた。
大手企業の人事部長から2つの会社の社長を経験した田中さんは、60歳のリタイアの時には、退職金のほかに上記のように月額44万円の収入がありました。
これだけ見るとまさに人生の勝ち組ですね。
「たいした趣味もなく、暇で暇でしょうがない。いつまでこんなことをやっているんだと悩みながら悶々とした日々を9カ月ほど送りました。44万円もあれば生活は大丈夫と思っていたのですが、社会保険料や固定資産税などの支出も結構ある。妻から『ストックはあるけどフローが回りません』と言われました」
ですが、やっとリタイアしてみると暇で暇でしょうがなかったようです。
大した趣味もなかったせいもあるようです。
そしがやだったら、月額44万円あれば、自分の好きなことをして過ごします。
一念発起して仕事を探すことにしたが、当時はリーマンショックの後で人材会社に登録してもどこからも声がかからなかった。ところがあるとき、高校時代の友人から介護施設会社の経営者を探していると聞き、自ら手を挙げ、雇ってもらえた。未経験の分野ではあったが社長の経験もあるし、人事部時代にやった建築物の管理や社食の運営の経験も生きた。入居者への対応や数百人の職員の管理など大変だったが、得意の人事制度改革や新規サービスの開拓など懸命に打ち込んだ。
結局、仕事を探すことになり、介護施設の仕事を得ます。
その会社には、3年勤め、その後も仕事を続け、現在は、業種の違う複数の会社のアドバイザーや監査役を務め、ほぼ毎日働いています。
こう見てくると田中さんにとっては、働くことが生きがいにつながったようです。
そしがやは、こういう選択はしませんが、かつての職場の同僚のケースを見ていると、働き続けている人が多いので、こういう人のほうが多数派のような気もしますね。
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