１９７０年代にローラーゲームというスポーツがありました。
リンクを各チーム５人でローラースケートを履いて行う、エンターテインメント性の強いスポーツです。
当時の東京１２チャンネル（現在のテレビ東京）で放送していて、よく見ていました。
東京ボンバーズという日本人女性のチームがあり、アメリカのチームと対戦するというパターンが多かったような気がします。
ですが、数年も経つと人気がなくなったのか、テレビでも放送されなくなってしまいました。
その後すっかり忘れていたのですが、１９９０年代になった頃でしょうか。
ある同僚からそんな東京ボンバーズにいたスター選手が職場の電話交換手でいるという噂を聞きました。
確かにその選手は、日本人女性選手の中でもルックスもよく、人気があったのです。
ですが、もう２０年も前のことなので、あまり関心がなくなっていました。
ミーハー的にわざわざ電話交換手の部屋へ彼女を見に行くということもありませんでした。
その後は、電話交換台の自動化が進み、交換手たちは、職種変更でほとんどが一般事務へと移行していきました。
そんな彼女も現在は、もう退職しているでしょう。
なぜ、そんなことを思い出したかというと、こんな記事を読んだからです。
米国で1980年代、お茶の間で人気だったテレビ番組「コスビーショー」に出演していたが現在はすっかり表舞台に姿を見せなくなった俳優が、食料品店で「バイト」をしていた姿を写真に撮られて話題になった。
俳優の名前はジェフリー・オーウェンズだ。1984〜1992年まで米NBCで放映されていたコメディ番組にレギュラーで出演していた。最近はあまりテレビで姿が見られていなかったようだった。
ある時、ニュージャージー州のスーパーマーケット・チェーンで袋詰め作業をしている姿を、買い物客の1人に写真を撮られ、英デイリーメール紙（8月30日付）に掲載されてしまった。アルバイトをしていたのだ。同紙は「ここのスタッフの時給は11ドル（約1200円）」と書き、写真を撮った人物の談話として「すごく気の毒に思った。あれだけ長い間テレビに出ていたのに、レジ係になっちゃうなんて」という言葉を掲載した。
この記事で紹介されている内容は、アメリカで有名なテレビ番組に出ていた俳優がスーパーでアルバイトをしていたというものです。
写真を撮った人は、往年のスターが時給約１２００円の仕事をしているのが、気の毒だと思ったということです。
俳優は、人気商売ですから、テレビの仕事もなくなることもあるでしょう。
日本でも数年前までは、よく見かけた俳優がテレビから姿を消してしまうということはよくあります。
テレビには、出なくても生活はしなくてはならないので、何らかの仕事をしていることは間違いありません。
時給１２００円の仕事かもしれません。
日本でもそんな姿をテレビに出ていた過去を知っている人が見かけたら、気の毒と思う人もいるでしょう。
ですが、この記事に取り上げられたオーウェンズは、インタービューに答えてこんな風に言っています。
オーウェンズは、「稼げる仕事や履歴書に書いたら見栄えのする仕事、というのはあるかもしれないが、良い仕事・悪い仕事なんてない。どんな仕事にも価値がある」と語り、今回の騒動で、みんなが「働くとはどういうことか」を考えてくれたらうれしい、と述べた。
日本では、「職業に貴賎なし」ということわざがありますが、これは、貴賎があると思っている人がいるからこそ生まれたものでしょう。
ですが、最後にこのようなオーウェンズの言葉で締めくくられていると何かホットしました。
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