公務員として勤めているころ、福祉の仕事を担当したことがあります。
子供が仕事をしないで親の介護をしているというケースを何度も見てきましたが、中には、親の年金に家族が依存しているというケースも結構ありました。
こんな記事を読みました。
【症例1】「年金タカり家族」のリアル
87歳の男性Aさんは、脳梗塞の後遺症で要介護3の車いす生活を送る。奥さんに先立たれ、療養型病院に長期入院していたが、ある日、持病の心臓病を悪化させて救急病院に転院した。救急車に同乗した50代の息子Bに、担当の医師が「このまま亡くなる可能性が高い」と説明したところ「オヤジを殺したらオマエもぶっ殺す!」と大騒ぎした。
フリーランスの麻酔医として全国の病院を渡り歩いている筆者が体験したケースを取り上げています。
Aさんは、元公務員管理職で年金収入が月約30万円あります。
高額療養費制度を活用すると病院への支払いは医療費とオムツ代などの合計で月約7万~8万円です。
息子のBさんは、その差額で生活しているようです。
ただ問題は、息子の望む延命措置のため、心臓カテーテルやら人工呼吸器やら人工透析やら、病院の懸命な処置により3か月で数千万円の医療費がかかっているということでです。
人の命は、大事なものですが、財政赤字の中、これだけの医療費が使われていることに、ちょっと複雑な気持ちになるのも確かです。
息子のBさんは、「寝たきり大黒柱」であるAさんの年金のおかげで問題なく生活できています。
ほかにも筆者が見聞した例が2つほど紹介されています。
いずれも家族が「寝たきりの大黒柱」に経済的に依存しているというものです。
筆者の表現を借りれば、タカっているというものです。
納税者としては、なんだか割り切れないですね。
そんな現状に対して、筆者は、以下のような提案をしています。
まず、年金受給者が入院した時は、年金を本人名義の通帳に支給するのを停止する。入院費やオムツ代などは、公費から直接病院に払えばよい。2016年から始まった「マイナンバー制度」の利用率は低いままだが、これを活用すれば技術的には可能だろう。
つまり家族の手を経ないで、年金を直接病院への支払いに充てるというものです。
公務員を体験したものからすると筆者が言うほど簡単ではないと思いますが、一つの手段だと感じました。
無駄な医療費が増えているなか、何らかの解決策が必要なことは間違いないのですから。
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