仕事をやめたいと思い始めたのは、50歳代になってからです。
55歳くらいでリタイアすることを考えていました。
ですが、その時までの資産等を計算するとやはり厳しいと思い直して、結局、定年まで勤めることになりました。
40歳代のころは、仕事そのものや人間関係が嫌になることは、ありましたが、リタイアまで思い巡らすことはありませんでした。
もっと遠い先のことだと思っていました。
ですが、そのときに急に遺産が1億円、入ったらと想像すると、どうでしょうか。
リタイアするかどうか、かなり悩んだでしょう。
無論、そんな遺産が入るような、うまい話は、なかったのですが。
実際には、40歳で遺産が1億円も入ってくる場合もあるようです。
今回、私(FPの前田晃介)の事務所にやってきたのは、チェーンストア大手に勤める独身サラリーマンのEさん(40歳男性)です。聞けばEさん、遺産相続で約1億円(相続税を支払った後の手取り金額)を手にしたとのこと。「サラリーマンの生涯年収は3億円くらいですよね。ならその3分の1があれば、もう働かなくてもいいんじゃないかなって……」とEさん。
Eさんは、遺産相続で手取り金額で1億円入ったようです。
こういう夢の様なことって、実際あるんですね。
それでリタイアできるかとFPのところへ相談に来たものです。
Eさんは、仕事をやめて、ゲーム三昧の人生を送りたいと考えています。
月の支出は35万円ほどで、つまり年間支出は420万円です。
独身の気安さからか、全体的な支出は多めです。
FPは、この条件で、シュミレートをしてみると、66歳で家計が破綻してしまいます。
この結果は、Eさんには、意外でした。
Eさんにとっては、思ったより年金額が少なかったようです。
それは、年金額が60歳まで勤めていたという条件での計算をしていたからです。
それで東京ではなく地方に住んだ場合は、どうかということでもシュミレートしてみました。
住居費は安くなるもののクルマの購入費や維持管理にお金がかかることで、これも68歳で家計破綻でした。
Eさんが51歳でリタイアするというシュミレーションをすると90歳までは、充分な資金が残るという結果が出ました。
Eさんは、この結果に「ここまで働けばやめてもいいんだ」という目標ができたので、しばらく頑張っていこうと前向きになったようです。
結果としては、かなり常識的なものとなりました。
多分、そしがやもこのような遺産が入っても、Eさんと同じように、51歳までは勤めるような気がしました。
関連記事