コインチェックという仮想通貨を扱う会社から460億円が流失してから、仮想通貨の記事がネット上でもかなり載るようになりました。
流失したのは、「NEM(ネム)」という仮想通貨でしたが、よく目にするのは、ビットコインというものです。
いろいろな記事を読んでいると仮想通貨というのは、他にもかなりあるようです。
ウィキペディアを見ると600種類ほどあると記載されていました。
いづれも特定の国家の保証のないものです。
いつも読んでいるブログでもかなり損をしたとか、仮想通貨はもうやらないとかの記事が載っていました。
また逆に値下がりした今がチャンスなので、仮想通貨を始めましたというものもありました。
そしがやの仮想通貨に対する態度は、決まっています。
国家の保証がないものが通貨として成り立つのが、よく理解できないので、手を出さないということです。
通貨が通貨として成立するためには、その通貨に対する信頼があることが必要ですが、今の仮想通貨の状態を見ていると必ずしもそうではないように思えるからです。
それに今の仮想通貨は、単に投機的対象になっているだけのような気がします。
それと通貨としての支払い決済手段というのは、矛盾するものだと感じます。
次の記事も同じようなことを述べています。
仮想通貨が「支払決済手段である」ことと「投機的投資の対象である」ことは、本質的に相反するものなのである。「自分が投機をする間は値上がりを続けるが、使う時には急に価格が安定して広く使える」といった夢のようなお金は、ないと思った方が良い。
まさにこの記事の言うとおりでしょう。
例としてこんな説明が載っています。
一方で、値動きの激しいものは、支払決済にはなかなか使われにくい。明日値上がりすると思うものを、今日の支払には使いたがらないだろう。また、明日値下がりすると予想されるものを、受け取りたがる店もないだろう。
仮想通貨というものは、このように相矛盾するものを含んだものだということです。
ここまでいろいろな仮想通貨が登場したのは、誰かがビジネスチャンスがあると考えたからでしょうが、危ういものです。
何だかこんな状況を見ていると以前読んだ松本清張の小説に登場した「西郷札」を思い出します。
西郷札というのは、西南戦争のとき軍資金不足に陥った西郷軍が、発行したものです。
発行当初から信用力に乏しく、西郷軍が軍事力を背景に実効支配地域内で無理矢理に通用させたものです。
西郷札は、西郷軍の敗北とともに全く価値を失い、西郷札を多く引き受けた商家などは没落するものもあり、西郷軍の支配下にあった地域の経済に大きな打撃を与えたと言われています。
仮想通貨が新しい西郷札にならないことを願っています。
関連記事