ネット上には、いろいろな悲惨な生活をする人のエピソードであふれています。
よくそういう記事を読むと、そこまで転落しなくてもよかったと思える点もいくつかあります。
現代の日本は、非正規雇用の拡大により、所得格差が急速に広がっている。そこにあるのは、いったん貧困のワナに陥ると抜け出すことが困難な「貧困強制社会」である。本連載では「ボクらの貧困」、つまり男性の貧困の個別ケースにフォーカスしてリポートしていく。今回は派遣専門の介護職員として働く、サトシさん(34歳)のケースに迫る。
34歳の男性のケースを取り上げています。
高校卒業後の専門学校の実習でいじめを受けて、うつ病を発症してからは、強制入院も体験し、両親とも縁を切りました。
東京に出て、工場に派遣労働者として勤めます。
リーマンショック前でこのころが一番楽しかったそうです。
結婚して、子供もできました。
ですが、リーマンショックで仕事を失い、離婚します。
妻子とは連絡も取れなくなりました。
その後は、うつ病を再発したり、ギランバレー症候群になったりと状況は悪くなります。
現在は、預金通帳の残金は、ゼロで、「主食」はモヤシと賞味期限切れ間近で値引きされた豆腐のようです。
ですが、最後は、介護施設から正社員の誘いがあるというところでこの記事は終わっています。
このケースを読んでいると正確な情報と相談相手がいなかったことで、ここまで転落してしまったような気がします。
例えば、ギランバレー症候群で入院したときも医師からは生活保護の手続きの口添えをするので、2週間入院したらと言われました。
にも関わらず、入院費が払わないからと2日で退院してしまいました。
このときに十分な情報を持ち、冷静な判断ができていれば、入院してゆっくり治療できたはずです。
入院費は、生活保護で無料でした。
今の日本では、しっかり調べれば、困った人を助けてくれる制度は、充分に整備されています。
情報が不十分なことで、ここまで落ちてしまったようにも思えます。
それに相談相手もいませんでした。
とは言え、今は、正社員の誘いがあるのがこの記事の中では、救いです。
ここからは、今までの経験を糧にして、安定した仕事に就いてほしいですね。
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