NHKスペシャルで今年の6月に放送されたときに面白かったので、録画した後も何度か見ています。
そんな番組が出版化されました。
早速読みました。
この本では、ストレスのメカニズムが明らかにされています。
元々、ストレス反応は、人類の狩猟時代に生き抜くために生み出されたシステムだと言います。
ですが、そのストレス反応が、もう猛獣はいない現代に人類を苦しめています。
そのメカニズムは、脳にある偏桃体がストレスに対応するために体の各部分にホルモンを放出するように命令を出します。
その反応が暴走してしまい、ついには、人をうつ病などに追い込むというものです。
多分、ここまでは、いろいろな本で取り上げられているものでしょう。
この本の特徴は、このストレスに対する対処法がいくつか述べられていることです。
従来から知られていた運動や病を防ぐ食生活もありますが、特に目新しいのは、コーピングとマインドフルネスです。
これは、初めて知りました。
まずコーピングですが、ストレスを感じたときにどうすれば対処できるかあらかじめリストアップしておくというものです。
例えば、音楽を聴くとか、買い物をするとか、本を読むとかです。
こんな簡単なことと思われるかもしれませんが、これが大事なことのようです。
認知行動療法という心理学の裏付けがあり、理論的にも正しさが証明されているようです。
この本では、できるだけ多くのことをリストアップすることが必要だと書かれています。
具体的なら具体的なほどいいようです。
100個挙げた人の事例がありましたが、「叱っている上司のほくろの数を数える」とか「初恋の彼女とばったり会う妄想をしてみる」とかこんなことまで挙げるのかと思うものまであり、面白いです。
それに実際に使えそうです。
次は、マインドフルネスです。
人は、マインドワンダーリング(心の迷走)という過去や未来のことでいろいろと考えをめぐらせていることがあります。
その時はずっとストレス反応が続いています。
その状態が続くと、脳や心がむしばまれていきます。
そのマインドワンダーリングとは逆に今の現実に目が向いた状態がマインドフルネスです。
そのために有効な方法論が昔からある瞑想で、それを現代に引き継いだものがマインドフルネスというものです。
実際は、どういうものかというと、
自分の楽な姿勢で、呼吸をあるがままに感じます。
しばらくすると「仕事をしなくては」とか「ゴミをすてなくては」とかの雑念が生まれます。
また怒りのような感情も出てきます。
ですが、呼吸に自分の意識を戻します。
今の瞬間の現実に気付くようにします。
こんな簡単なことで、ストレスが軽減されるとのことです。
これもいつでもできそうです。
このマインドフルネスを続けることで、ストレスで減った海馬が増えたという実験結果も出ているようです。
コーピングとマインドフルネスは、すぐにでもできそうです。
まずは、コーピングのリストアップですが、一番目は、「キラーストレスー心と体をどう守るか」を読むにします。
この本を読むだけでもストレスが減ることは間違いないです。
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