以前、職場にしつこいワンルームマンションの購入の勧誘の電話が来ていたことがあります。
何度も何度もかかってくるので、職場でもその対応が、大分問題になっていました。
そしがやは、そんなしつこい勧誘までしなくてはいけないということは、ワンルームマンションの運用というのは、かなり厳しいものだろうと想像していました。
そんな中、いつものｍｓｎニュースにそんなワンルームマンションを３つ持つ５０歳の男性会社員の相談が載っていました。
早期リタイアが可能かどうかというものです。
もし、そしがやがワンルームマンションを購入していたら、と思うと興味深いものです。
内容はというと、
■相談内容
1年以内にリタイヤ（あるいはセミリタイヤ）可能でしょうか。自宅以外にワンルームマンション3戸を保有しており、諸費用を考慮しても毎月17万円ほど収入があります。ただし、そのローンが1400万円（毎月14万円返済中、固定金利、残り10年）と自宅の住宅ローンが2800万円（毎月9万3000円返済中、変動金利、残り28年）あります。退職金は、1100万円と企業年金が10年間で総額700万円ほど出る予定です。年金定期便によると、多少減額されることを考慮しても、65歳から毎月10万円ほどは出そうです。完全リタイヤが無理ならば、月8万程度年間100万円のバイトをしてセミリタイヤすることも視野にいれています。
収入は、給与が月額４０万円で、マンション収入は、月額１７万円です。
ボーナスは、年額で１５０万円。
資産は、貯蓄と投資分をあわせて２０００万円です。
個人的には、マンション収入がFPからどう評価されるかというのが、気になります。
さて、ＦＰの回答ですが、
アドバイス1 試算上は1年以内のリタイヤも可能だが……
リタイヤを1年後と仮定しましょう。まず貯蓄ですが、年間の貯蓄ペースが300万円に投資額が100万円ですから、資産としては400万円上乗せです。したがって、退職金1100万円も加えた退職時の資産は、3500万円ということになります。
次に、退職後の収入ですが、パートなどもせず完全リタイヤの場合、85歳まで手にする公的年金は2400万円、それに企業年金が700万円ですから、合わせて3100万円。先の退職時の資産と合わせて6600万円は、現時点で確実な老後資金ということになります。
対して、支出は生活費が15万円とのことですから、来年の51歳から85歳までに6300万円。今後の住宅ローンの支払いは、今後の返済総額は金利変動がないとして約4600万円。合わせておよそ1億900万円となります。
現在、コスト（管理費と固定資産税）を差し引いた家賃収入が月17万円。ご相談者の方が言われるように、今後30年はこの収入が維持できれば、トータル6120万円の収入となりますから、先の不足分は十分カバーできます。
まずは、リタイア可能との判断のようです。
アドバイス2 「30年間の賃貸収入」はリスクが大きい
問題は、家賃収入の見立てです。「今後30年間は少なくとも賃料を得られる」という根拠が弱いように思うからです。所有されているワンルームマンションについては、いただいた情報でしか判断できませんが、たとえば2011年に購入された物件は30年後には築45年になります。物件の老朽化を考えれば、現在と同水準の家賃を確保していくのは相当に難しいのはないでしょうか。
やはり問題は、ワンルームマンションの家賃収入の安定性ですね。
これは、そしがやも同じような疑問を感じました。
ワンルームマンションは、どんどん老朽化していくので、同じような家賃収入は難しくなります。
それにメンテナンスコストも増えていきます。
ちょっとこの試算は、甘いように思いますね。
アドバイス3 セミリタイヤかリタイヤ時期の延長が必要
もうひとつ気になるのが自宅の住宅ローンです。
借入金2800万円という、その金額も決して小さくはないですが、完済が78歳とあまりに長いということがさらにネックとなっています。
あくまで家賃収入が30年間続いたとした場合、老後資金は足りることにはなりますが、それでも資金的に余裕があるというわけではありません。そういう中で、78歳まで固定費として住宅ローン9万3000円が続くことは、やはりリスクだと思います。何か大きな支出が発生した時点で、その後の老後資金がきびしくなると考えられるからです。
自宅用に住宅ローンがあるというのも問題ですね。
今後はどんな大きな支出があるかどうかわかりません。
病気や怪我で入院するかもしれません。
ＦＰは、セミリタイアにするかリタイア時期を延長することを勧めていますが、そしがやもその通りだろうと考えます。
関連記事
