大学で「アメリカ文学と大衆音楽」の授業を受けています。
アメリカの有名な文学作品と大衆音楽との関係についての講義です。
先週は、ジャック・ケルアックというそしがやにとっては、まったく知らない作家についてでした。
1950年代の作家です。
ビート派として文学史的には有名です。
「オン・ザ・ロード」という作品をめぐる話が中心でしたが、その中で「夢は叶うのが一番悲しい」という説明を講師がしました。
それは、ロマンティストとは、何かという説明の中の言葉でしたが、当たっているな、と感じました。
講師によると、ロマンティストは、夢を追いかけている間が一番楽しい。
恋も実現するまでがすばらしい。
いざ実現してしてしまうと夢が現実になってしまうので、楽しくなくなってしまうのだ、というものでした。
だからいつまでも夢を追いかけていくのが、本当のロマンティストだというのです。
何か文字通り、夢も希望もない残酷な言葉です。
でもこれが真実だな、と同感しました。
そしがやは、リタイアして半年経ちますが、リタイアという夢が実現して、この講師の言葉が結構当たっていると感じています。
仕事をしていて、リタイアにあこがれていたころは、リタイア後の生活を夢見ていたのだと思います。
日々の生活が単調で詰まらなかったから、リタイアした後の自由な生活にあこがれていました。
理想化していたのでしょうね。
ですが、いざリタイアしてみて、半年も経ってしまうと何だかリタイア前に夢見た生活とは、ちょっと違うな、とは感じているのです。
よく考えれば、当然のことでしょう。
理想と現実は違うのですから。
と言って、リタイア前の生活には戻りたくはありません。
リタイアしたという判断が間違っていたとは思っていません。
今の方がまだリタイア前よりはマシです。
でも、リタイア前のあの夢見るような気持ちがなくなってしまったのは、事実のようです。
また新しい夢を探すしかないのかもしれないですね。