いま大学で旧約聖書の授業を取っています。
一番最初の創世記から始まって、サムエル記までやりました。
この授業をとる前は、正直なところ、あまり期待をしていませんでした。
でも、先生は、クリスチャンなのですが、宗教的な押し付けがましさもなく、語ってくれるいろいろなエピソードも面白く授業を受けています。
授業は、大体半分くらい終わったのですが、何かすこしづつ西洋文明におけるキリスト教的な背景が理解できたような気がしてきています。
授業を受けて感じたことは、西洋の考え方が、当然のことですが、聖書がベースになっているということです。
また、いろいろな文学作品で聖書のエピソードが元になっているものが、予想はしていたものの、やはり結構多いということです。
先日、授業でやった「カインとアベル」の兄弟のエピソードは、ジョン・スタインベックの小説「エデンの東」のベースになったものです。
ジェームズ・ディーンの出演した映画でも有名です。
韓流ドラマにも同じタイトルのものがありました。
また最近授業にあった、ダビデ王とウリアの妻のエピソードは、コナン・ドイルの短編集「シャーロック・ホームズの思い出」の中に入っている「背中の曲がった男」の元になったものでしょう。
これは、イスラエルの王のダビデがヘト人のウリヤの妻のバト・シェバに横恋慕してしまい、邪魔になった、夫のウリヤを最前線に出して、戦死させてしまうというものです。
こんなふうに聖書は、いろいろなエピソードの宝庫であり、登場する人物は、結構人間的です。生々しいです。
何か聖書を読むことは、小説のエピソードのことかかない気がしています。
小説家になりたい、そしがやにとっては、ネタの宝庫です。
プロット作りに生かせそうですね。
授業は、7月で終わりますが、膨大な旧約聖書は、全部は終わらないでしょう。
ですから聖書を全編自分でしっかり読んでみたいです。
以前、岩波文庫版の「千夜一夜物語」を読んだことがありました。
フランスのマルドリュスの訳したものからの重訳でしたが、面白くて全部読んでしまいました。
面白さというのは、人間くさいエピソードの魅力です。
全13巻ありましたが、2日で1巻くらいのペースで読みました。
1か月は、掛からなかったでしょう。
何か聖書の面白さは、そのときの面白さに近いです。
こんなこと書いたら、キリスト教徒に叱られるかな。
旧約聖書だけでも全編読んでしまおうと思っています。
9月から始まる秋学期には、新約聖書の授業を受けつもりです。
ざっと見た感じ、旧約と新約とでは、同じ聖書でもずいぶん趣が違います。
その違いも楽しみたいと思っています。
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