そしがやのリタイア日記

リタイアした公務員の日々の生活を書いていきます。学生生活、投資、などなどです。

自販機で小銭を集める老女に1万円を渡すことは効果的な慈善と言えるのか?

以前、自動販売機のお釣りの返却口を一つ一つ調べている少年を見かけたことがあります。

小学校高学年くらいの年齢でした。

最初何をしているのかな、と思っていたのですが、返却口でお釣りの取り忘れがないか、どうかを調べているのでした。

ときどきは、取り忘れがあるので、それを自分の小遣いにするつもりだったんでしょう。

しばらく見ていたのですが、時間と労力の割には、実入りが少ないと感じました。

時間があれば、もっと別のことにエネルギーを費やすべきでしょう。

 

時々読んでいる橘玲のウェブサイトに同じような記事が載っていました。

この場合は、主人公は、少年ではなく、老女でした。

 

diamond.jp

 

昨年の暮れ、いろいろ用事が立て込んで深夜3時過ぎに仕事場を出て、徒歩で15分ほどの自宅に向かって歩いているときのことだ。私の前を、分厚いオーバーの下に重ね着した小柄な老女がビニールバッグを抱えて歩いていた。自販機があるたびに立ち止まり、釣銭の返却口を一つひとつ調べている。 

 昼間だと人目が気になるから、誰もいないこの時間を選んで、わずかな小銭を手に入れようとしているのだろう。そう思って、見てはならないものと遭遇したときにように目を伏せて老女を追い越したあと、ふと考えた。財布から1万円札を取り出し、いまから引き返してあの老女に渡すべきではないだろうか。

 

橘玲は、このエピソードからどういう援助が一番、有効なのかということを考え始めます。

そのきっかけになったのは、以下の本を読んだこともあります。

 

 

この本の内容については、この記事では、いろいろと紹介されていますが、面白かったエピソードがあります。

アフリカの教育にとって、何が一番有効な援助かというものです。

意外なものでした。

 

2人が最後にたどり着いたのは、教育支援とはなんの関係もなさそうなアイデアだった。それは、「腸内寄生虫の駆除」だ。

 このプログラムの特徴は、ものすごく安上がりなことだった。1950年代に開発され、すでに特許切れとなった薬を学校を通じて子どもたちに配布したり、教師が薬を投与したりするだけなのだから。

 もうひとつの特徴は、それにもかかわらず目覚ましい効果があることだ。

 長期欠席はケニアの学校を悩ます慢性的な問題のひとつだが、駆虫によってそれが25%も減少した。治療した子ども1人当たりで出席日数が2週間増え、駆虫プログラムに100ドル費やすたびに全生徒の合計で10年間分に相当する出席日数が増えた。これは、1人の子どもを1日よぶんに学校に行かせるのにたった5セントのコストしかかからないということだ。

 

教材を無料で配布するとか、教師を増やすとかより、寄生虫の駆除が一番、効果があったというものです。

びっくりですね。

ほかにも一見よさそうで実は、ほとんど効果のなかったものがいろいろと紹介されていて興味深いです。

 

さて、最初の老女の話ですが、橘玲は、以下のように結論付けています。

 

「効果的な利他主義者」としては、自販機で小銭を集める老女に1万円を渡す理由はない。彼女は「ゆたかな日本」に生きており、年金や生活保護を受給している可能性が高く、困窮しているとはいえ死に瀕しているわけではない。それに比べてアフリカには、1日100円や200円で暮らさざるを得ず、子どもたちが次々と感染症で死んでいく国がたくさんあるのだ。

 

そしがやも同意しますね。

そしがやは、自販機で小銭を集める老女には、1万円を渡そうとは考えません。

そんなことをしたら、老女は、自尊心を傷つけられるようにも思えます。

単に、彼女にとっては、真夜中に自販機で小銭あさりをするのが、楽しみかもしれません。

そしがやの場合は、橘玲のようにお金を渡そうという発想自体も起きませんでしたね。

 

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